【 rouge Ⅱ 】 仕事が終わり俺は急いで帰宅する。 そう、今日はあの人が来る日だから。 もしかしたら今年会えるのは今日が最後かもしれない。 年末まで俺は大詰めになる。時間を割くには周りに迷惑を掛けてしまうから。 あの人も年末までは時間が取れないだろうし。 そう思うとどう過ごそうか？何をしようか？ 外出はできない関係。出来ることは限られてしまう。 それでも会えるだけでもいい。どんだけ待ちどうしかったことか…。 そして今日も玄関から彼女は俺に向かって飛び込んでくる。 『風磨っ！！』 「待たせすぎなっ！」 そして強く抱きしめる。 2人で見たかった映画を酒を飲みながらゆっくり鑑賞する事に。 中盤に差しかかろうと言う時に暗い部屋の中でテーブルに置いてあった彼女の電話が青く光る。 俺の目に手を添えて 『気にしないで…』 彼女はそういうが拭えないアイツの気配…。 現実にひきもどされてしまう。 切ない気持ちを隠して笑顔で誤魔化す。 この人はそんな俺の気持ちをわかってるのか？ あなたの心の中が分かればどんなに楽になるか… 彼女の肩にもたれ掛かる。 『風磨、眠くなっちゃった？』 「しばらく甘えられな

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